鳥インフルエンザウイルス感染に対する新たな治療薬としてのクラリスロマイシン(CAM)の有効性を、カニクイザルを用いて検証した。 H5N1感染ではCAM投与群で早期に解熱傾向を示したが、H7N9感染ではCAMの効果は乏しかった。気管拭い液中のウイルス量はH5N1, H7N9感染ともにCAM投与群で早期に減少した。感染7日目の肺組織内の炎症性サイトカイン産生量は、H5N1感染ではCAM投与群で減少し、H7N9感染でも減少した。以上のことからCAMは、鳥インフルエンザウイルスの感染・増殖を抑制し、生体側の過剰なサイトカイン産生も抑制して、新たな治療薬としての有用性が考えられた。
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