38例に対して上咽頭からの無菌的に細菌採取を行い細菌培養と原疾患、鼻汁好酸球、血中IgEの関係について調べた。20%で培養陰性であった。疾患と培養された細菌との間に関連性は見いだせなかった。鼻汁好酸球と培養された細菌との間に一定の傾向はなかった。血中IgE値と培養された細菌との間に一定の傾向はなかった。同時に上咽頭から採取されたサンプルでは培養により菌が同定されたものの、PCRで増幅できず、NGSでは解析不能であった。これらの研究結果から、成人における上咽頭は細菌数が少ない環境であり、成人における上咽頭細菌叢の全身に与える影響は鼻腔、口腔咽頭と比較すると大きくない可能性が示唆された。
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