研究課題/領域番号 |
26462590
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60343670)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | スギ花粉症 / 免疫療法 / 制御性T細胞 / IgG4 |
研究実績の概要 |
スギ花粉症に対する抗原特異的免疫療法の作用メカニズムを解析するために、免疫療法施行患者におけるB細胞、T細胞の免疫応答を検討することを、今年度の研究目的とした。(方法)非花粉症健常人群10名、スギ花粉症非免疫療法群9名、スギ花粉症皮下免疫療法群18名を対象とした。2016年のスギ花粉症シーズン終了後に、末梢血を採取し、血清中抗体価、PBMCを用いたT細胞系解析を施行した。(結果)皮下免疫療法施行群ではスギ特異的IgE抗体の減少、スギ特異的IgG4の有意な上昇を認めた。PBMC中のIL-10-producing T cellは花粉症非免疫療法群では有意に低値を認め、皮下免疫療法施行群では有意な増加を認めた。(考察とまとめ)皮下免疫療法の効果発現には、自然発生型の制御性T細胞 (CD4+ CD25+ Foxp3+ T細胞)が関与することが示唆されてきたが、抗原特異的に抗炎症性サイトカインIL-10を高産生するFoxp3-negativeな制御性T細胞(Tr1細胞)やIgG4を高産生する制御性B細胞が免疫療法により誘導され、治療効果発現に関与する可能性が示唆された。今後更なる検討を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究はおおむね順調に計画通り施行できている。 研究結果から、新たな知見も得ることができ、今後の研究継続計画も立案できている。
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今後の研究の推進方策 |
スギ花粉症に対する免疫療法により効果を認めるもの、認めないものに分かれる。治療効果別のサブ解析を進めていく予定である。 また、舌下免疫療法については、現在では、まだ施行年数が短く今後の長期的な測定継続が必須と考えている。 また、経リンパ節免疫療法についても施行回数、投与量などの追加解析が今後必要となってくる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は順調に遂行できたが、若干の未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
解析にかかる消耗品の一部として使用する予定である。
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