頭頸部扁平上皮癌において、発現が抑制されていたmiR-1およびmiR-206について検討した。これらを頭頸部扁平上皮癌細胞に核酸導入すると、癌細胞の遊走能、浸潤能の顕著な抑制効果を認め、これらが癌抑制型マイクロRNAである事を確認した。次に、それぞれが制御する癌促進型遺伝子を探索した結果、EGFRおよび c-METが直接の標的分子である事が判明した。EGFR阻害薬の治療抵抗性に、c-METを介したシグナル伝達系の活性化が報告もあり、miR-1およびmiR-206の発現抑制は、EGFRおよびc-METの発現制御の破綻をきたす事から、頭頸部扁平上皮癌の治療抵抗性に関与している事が明らかとなった。
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