研究課題
喉頭乳頭腫の培養細胞モデルの作成のため、前年度と同様に、手術により採取し細切した組織を培養シャーレに直接置きコラーゲンゲルで被覆する方法を採用し、継続した。前年度との違いとして培養液に市販のケラチノサイト細胞培養システムを使用することとした。倒立顕微鏡での観察では、細切組織の周囲に上皮細胞の増殖を認め、乳頭腫細胞と考えられた。コラゲナーゼにより被覆したコラーゲンを分解した後、トリプシンを用いて増殖した細胞をはがし、新たにシャーレに培養を開始した。乳頭腫と思われる細胞の増殖を認めたため、さらにトリプシンではがした後に、研究目的である様々なHPVシグナル伝達経路の評価のため、分注して増殖を試みたが、以降の増殖は確認されなかった。また、研究代表者の所属機関変更のため、新たに倫理委員会への承認を得る手続きにも時間を要し、当初予定の進捗が得られなかった。一方、並行して、摘出した腫瘍組織における免疫染色も継続した。こう投入投手の組織学的特徴は、ヘマトキシリン・エオジン染色で観察される腫瘍のコアにある毛細血管である。血管新生因子である血管内皮増殖因子(VEGF)は、コアの毛細血管の周囲に発現を認め、血管新生に関与していることがうかがわれた。付随研究として、喉頭乳頭腫に対する新規治療開発の一助となるよう、うがい液からのHPV DNA検出を試みた。喉頭乳頭腫7例から咽頭うがい液と口蓋扁桃擦過検体を採取したところ、咽頭うがい液では5例においてHPV DNAを検出したが、口蓋扁桃擦過検体には検出しえなかった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
Acta Otolaryngol
巻: - ページ: in press
10.1080/00016489.2016.1274426.
Auris Nasus Larynx
巻: 43 ページ: 541-545
10.1016/j.anl.2016.01.005.