研究実績の概要 |
腫瘍部と正常部からサンプリングした中咽頭癌手術症例のDNAメチル化解析を次世代シークエンサーを使って解析した。腫瘍部と正常部のlincRNAの発現に違いのあるlincRNAを選び出した。また、UMSCC47細胞株を使って、脱メチル化治療を行い、治療前と比べて発現が変化したlincRNAを抽出した。これらの結果を統合して頭頸部癌に関係のあるlincRNAの特定を今後進める予定である。 GALR1遺伝子とSALL3遺伝子との間にあるlincRNAは、RP11-849, -715, -123, -451,-100, -671, -63, -176がある。これらのlincRNAの発現を、次世代シークエンサーでの解析結果と臨床検体での発現解析を照らし合わせ候補となるlincRNAを特定できた。この特定されたlincRNA-XをsiRNAでノックダウンし、GALR1とSALL3遺伝子のメチル化度を調べる準備を行っている。次に、EZH2も併せてノックダウンし同じくGALR1とSALL3遺伝子のメチル化度を調べる準備を行っている。GALR1とSALL3遺伝子のメチル化度が低下し、GALR1とSALL3のmRNA量の増加と細胞増殖低下を認めると、lincRNA-X⇔EZH2⇔GALR1/SALL3のlincRNAを介したエピジェネティック修飾に関して解明できると考える。 さらにEZH2阻害剤によるUMSCC47細胞株の治療を行った。今後次世代シークエンサー解析を行い。先に行った実験と併せて遺伝子の変化を確認していく。
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