研究課題/領域番号 |
26462602
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
楯谷 一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (20526363)
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研究分担者 |
平野 滋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
武藤 学 京都大学, 医学研究科, 教授 (40360698)
北村 守正 京都大学, 医学研究科, 助教 (60543262)
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80700517)
森田 真美 京都大学, 医学研究科, 医員 (90637597)
石川 征司 京都大学, 医学研究科, 医員 (70570159)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 表在癌 / アラキドン酸 / 上皮下浸潤 / 咽頭癌 |
研究実績の概要 |
NBI(narrow band imaging)を代表とする内視鏡画像技術の発達に伴い、微細な中・下咽頭表在癌を同定し、内視鏡下あるいは顕微鏡下で経口的に切除する小侵襲治療が可能となってきた。中・下咽頭表在癌は予後良好であるが、症例の蓄積により問題点も明らかとなってきている。表在癌の治療は今後さらに普及すると予想され、基礎的研究から表在癌の進行を理解し、その治療戦略に役立てることは非常に重要なテーマである。一般に、上皮内癌が進行すると基底膜を破壊して上皮下浸潤を来し、浸潤癌へと移行していく。表在癌の上皮下浸潤を解析することで、浸潤癌への移行のメカニズムの解明、さらには予後因子の同定などにより表在癌・浸潤癌に対する治療戦略の確立に寄与することが期待される。本研究は上皮下浸潤部における遺伝子、分子の発現を網羅的に解析し、上皮下浸潤に関わるメカニズムの解明、予後規定因子の同定を行うことを目的とする。中下咽頭癌の癌病変において、上皮内部と上皮下浸潤部の組織を採取し、その脂質発現を質量顕微鏡法を用いて網羅的に解析した。その結果、上皮下浸潤部においてアラキドン酸を含む脂質が有意に多く発現をしていることを世界で初めて見出した。アラキドン酸は炎症に関与しており、癌が上皮下浸潤していく際には炎症機転が働きながら進行していくことが示唆された。さらに現在顕微鏡で観察しながら針を用いてサンプルを採取するマイクロダイセクション法によってサンプル採取し、採取サンプルからmRNAを抽出して逆転写によってcDNAを得ることで、解析サンプルを収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク発現時については、前述の通り上皮下浸潤部においてアラキドン酸を含む脂質が有意に多く発現をしていることを世界で初めて見出し、英文論文として受理された。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイ法によるサンプル収集が予想よりも遅れているため、現在収集を継続中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
手術標本サンプルの採取が当初の計画より遅れており、DNAマイクロアレイでの目標サンプル数の取得に時間がかかっている。マイクロアレイデータの不足を補うことを目的に、過去の固定標本を用いて免疫染色による解析を補助実験として新たに行うこととしたため、次年度使用額が生じた。多方面からの解析を行うことで、より信頼性の高いデータを得ることが出来、結果として研究結果の質を上げることに繋がると考える。
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次年度使用額の使用計画 |
過去の固定標本を用いて免疫染色による解析を補助実験として新たに行う。
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