研究課題/領域番号 |
26462603
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂本 達則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60425626)
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研究分担者 |
平野 滋 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10303827)
平海 晴一 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10374167)
楯谷 一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20526363)
中川 隆之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335270)
北村 守正 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60543262)
山本 典生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70378644)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 画像診断 / 光コヒーレンストモグラフィー |
研究実績の概要 |
OCTの断層画像群から内部構造を3次元的に抽出し、表面画像(en face画像)に重ね合わせるという系を構築する検証系として、プラスチックファントムを作成した。ファントムには透明プラスチックの内部にワイヤーコイル、プラスチックの棒などを埋め込んだ。このファントムのOCTで断層像群を撮影し、それぞれの構造が不透過物や非透過物として描出されたことから、今後の内部構造推測アルゴリズムとen face画像への重ね合わせの実証系に用いることが出来ると判断した。 OCT装置のNativeなファイル形式から、その後の画像情報処理に用いることのできる一般的なフォーマットであるDICOMに変換できるプログラムを作成した。これによって、汎用プログラムを用いて画像処理を行うことができるようになった。 マウス蝸牛のOCT画像を撮影し、複雑な内部構造ごとに特徴抽出できるパラメータの検討を開始した。いくつかのフィルターを検討し、骨構造は良好に描出できると考えられた。 マウス鼻腔粘膜のOCT画像を取得し、組織学的評価と比較することで、嗅上皮と呼吸上皮を区別することが出来ることを確認した。今後、嗅上皮障害モデルを作成し、嗅覚障害モデルの嗅上皮の変化がOCT画像で評価できることを検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
システム構築の点では、断層像からen face画像に表示するための情報化は非常に重要な点であるが、情報の抽出でやや手間取っているところがある。今後、連携研究者とともにこの点には集中的に注力し、構造抽出、を行って行く。en face画像化については、単純な例としてのファントムのOCT断層像群を用いて実行可能であることを示すが、滞っていたOCT画像撮影が可能になるので、今後は効率を上げて研究を進めることが出来ると考えられる。 動物モデルについては正常動物を用いたものは行えた。病態モデルのものについては病態モデル自体の検証が必要であるため、これをまず行う。
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今後の研究の推進方策 |
OCT装置の故障等のため、OCTデータを取得する実験はやや停滞気味となったが、現在は修理を完了しているので今後この問題は解消すると考えられる。 画像特徴の抽出については、ファントムのOCT画像からファントム内部の物体を3次元的に抽出してen face画像に変換するプログラムを開発する。また、引き続きマウス蝸牛を中心に、いくつかのパラメータとフィルターを用いて内部構造を抽出出来ることを検証して行く。 有用性の実証については、マウスの嗅覚障害モデルで嗅上皮のOCT所見で嗅覚障害を描出できることを証明して行く。ヒトの腫瘍のサンプルを用いて画像特徴の検討を行いたいところであるため、本実験のための倫理委員会申請を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、OCT装置が故障したために実験が制限され、本年度の使用額が結果的に少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
装置の修理は完了したので本年度行えなかった実験を含めて行う。
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