痙攣性発声障害は、声のつまりや震え、途切れをきたす原因不明の疾患であるが、その病態生理については明らかではない。その病態を明らかにするために、機能的核磁気共鳴画像を用いて脳機能を検討した。内転型痙攣性発声障害と診断された12例と健常者16例を対象とし、発声課題のない安静時機能的脳結合に関して比較検討を行った。また症状の程度、病悩期間と機能的脳結合の関連についても検討した。視床と大脳基底核(尾状殻)で、有意に高い機能的脳結合を認め、さらにこれらは症状の重症度と相関した。これはこれまで基底核ネットワークの異常が原因とされるジストニアと同様な疾患であることを裏付けるものであった。
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