癌細胞における糖代謝異常が癌の進展の大きな要因であることが明らかになりつつある。今回、糖尿病の病態として高血糖状態において癌細胞特異的な糖代謝異常がEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition、上皮間葉移行)を誘導し、癌幹細胞の活性化を促進し、癌の浸潤・転移を亢進させるかどうかを検討した。その結果、高血糖状態では、癌細胞のEMTシグナル活性が亢進し、癌の浸潤転移が亢進することが分かった。さらに、癌幹細胞の活性化にも影響を与えることが示唆された。また、in vivo癌浸潤・転移モデル実験系においても高血糖状態の癌細胞は浸潤・転移を亢進していることが示唆された。
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