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2015 年度 実施状況報告書

マイクロバブル・ナノバブルを用いた頭頸部癌の画期的な診断・治療法の開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 26462619
研究機関岩手医科大学

研究代表者

志賀 清人  岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)

研究分担者 齋藤 大輔  岩手医科大学, 医学部, 助教 (40722715)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード造影超音波診断 / 頭頸部癌 / リンパ節転移 / マイクロバブル
研究実績の概要

我々は東北大学医工学研究科、情報科学研究科との共同研究で頭頸部癌リンパ節転移内の毛細血管をマイクロバブルを用いた造影超音波による動画画像から抽出する新たなアルゴリズムを作成し、画像解析ソフトとして完成させた。このソフトを用いることにより、リンパ節内の毛細血管の分布や密度を検出することが可能となった。このソフトを用いた造影超音波の頭頸部癌リンパ節転移の検出について、その有効性を検討する多施設共同研究が進行中である。これまで、造影超音波とこの画像解析ソフトを用いて頭頸部癌の転移リンパ節について手術症例については病理像との比較、化学放射線療法症例については治療前後のリンパ節内の構造変化などについて検討を行ってきた。
これまでの解析結果から頭頸部扁平上皮癌のリンパ節転移の造影超音波の解析画像にはいくつかのパターン(diffuse type, scattered type, perfusion defect typeなど)があり、それぞれ癌の浸潤様式と密接な関連があることが明らかとなった。また、転移リンパ節の初期段階では腫瘍による血管新生が起こるが、化学放射線治療中、治療後の造影超音波画像ではリンパ節体積の縮小に伴い血管の密度はむしろ増大するものが多く、癌細胞が死滅しても周囲の間質の血管網は残存していく様子を経時的に明らかにできた。
現在は二次元での血管画像構築を行っているが、3次元プローブあるいはスキャンニングを行うことにより得られる画像から三次元でのリンパ節内血管画像構築の研究を進めている。
マウスの動物実験では鼠径リンパ節から腋窩リンパ節転移についてのモデルで臨床例と同様の所見が得られており、リンパ節転移についての新たな知見が集積されつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

我々が開発した画像解析ソフトを用い、頭頸部癌リンパ節転移を対象とするマイクロバブル造影剤を用いた造影超音波検査について、その有効性を検討する多施設共同研究が進行中である(日本頭頸部造影超音波研究会JHNCURG)。
3次元プローブやスキャニング画像を利用した3次元でのリンパ節内血管画像構築は、現在研究が進行中であるが、完成が当初の予定よりやや遅れている。
動物実験はマウスモデルを用いて、順調にデータが取得されている。

今後の研究の推進方策

1)マイクロバブル造影剤を用いた造影超音波の頭頸部癌頸部リンパ節転移に対する有効性を検討するための多施設共同研究(JHNCURG)を継続して実施する。
2)リンパ節内の血管像の変化、腫瘍血管の性状、血管密度の変化などを頭頸部癌頸部リンパ節の手術標本を用いた病理像と比較して、造影超音波の有効性について検討する。また、化学放射線治療の前後で造影超音波画像を取得して、形状変化について検討する。
3)転移リンパ節内の腫瘍血管を検出する3次元画像解析手法の開発を継続する。
4)マウスを用いた動物実験モデルでリンパ節転移についての基礎実験を継続する。
5)頭頸部扁平上皮癌細胞株を移植したヌードマウスの腫瘍モデルを利用して、マイクロバブルと抗癌剤を併用した新たな化学療法の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は多施設共同研究が開始になり、前年度までのように物品費の支出が多くなかったため次年度使用額が生じたと思われる。

次年度使用額の使用計画

次年度は多施設共同研究に伴う班会議の費用や試薬などの物品費に支出が増加する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 乳腺・甲状腺・頭頸部体表領域のリンパ節転移診断 頭頸部癌の頸部リンパ節転移診断における超音波の役割2015

    • 著者名/発表者名
      齋藤大輔
    • 学会等名
      乳腺甲状腺超音波医学会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪
    • 年月日
      2015-05-24

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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