代表的なG蛋白共役受容体であるGalanin受容体2型(GALR2)を標的とする頭頸部癌の新規分子標的治療薬の開発のため,GALR2の頭頸部癌細胞への遺伝子導入を行い治療効果を検討した.GALR2アンタゴニスト別の殺細胞効果の実験では,GALPにおいて強力な殺細胞効果を示した.アンタゴニスト別の情報伝達経路の検討では,GALPにおいてPI3K/Aktの抑制効果が強かった.何れのアンタゴニストでもGALR2は差細胞周期停止作用とアポトーシス誘導作用が認められた.セツキシマブの存在下では,GALR2の殺細胞効果に対するセツキシマブの増強効果が認められた.GALPは有用な頭頸部癌治療薬となり得る.
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