本年度は、腫瘍溶解性センダイウイルスベクターであるrSev/dMFct14(uPA2)-GFP(バイオナイフと命名)の甲状腺未分化癌に対するin vitroおよび同所移植モデルを用いたin vivoでの腫瘍特異的抗腫瘍効果、ヌードマウスの生存率改善効果・体重維持効果、アポトーシス誘導効果について、沖縄県那覇で開催された国際学会(アジア太平洋甲状腺外科学会)でのシンポジウム講演の機会を得て発表し高い評価を得ることができた。その旅費にも今回研究費を使用した。また甲状腺未分化癌に対するバイオナイフのin vitroおよび3回投与でのin vivoでの良好な抗腫瘍効果、生存率改善効果、体重維持効果、アポトーシス促進効果などについて英文論文としてまとめた。現在英文誌に投稿中で、査読結果を待っている段階である。さらにrSev/dMFct14(uPA2)-GFP(バイオナイフ)の舌扁平上皮癌のin vivoでの抗腫瘍効果についてヌードマウス舌同所移植モデルのnを増やして効果を確認した。3日おきに3回バイオナイフを投与した治療群は、HBSSコントロール群およびコントロールベクター群と比較し有意な抗腫瘍効果、生存期間延長効果が見られた。本年度の検討により、バイオナイフの舌扁平上皮癌同所移植モデルでの検討においても統計学的に有意な結果が得られた。今回の検討でも、すべてのマウスの行動観察において、明らかに重大な副作用を疑わせる所見は認めていない。 現在この結果についても英文論文として執筆中である。
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