平成28年度は、平成27年度に引き続き、滲出型加齢黄斑変性患者(AMD)を対象に、Advanced glycation end products (AGEs)の1つであるペントシジンと、内因性分泌型AGEs 受容体(esRAGE)(デコイとして働きAGEsの作用を阻害し組織障害の進展を抑制することが知られている)血中濃度を測定し、滲出型加齢黄斑変性との関連性を検討した。 研究成果 AMD患者31名(典型AMD10名、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)患者21名)、非AMD(コントロール)15名を対象とした(年齢58歳から90歳)。ペントシジンと、esRAGEの血中濃度をenzyme-linked immunosorbent assay法で測定した。 典型AMDの血中ペントシジン濃度(0.125 ± 0.0210 μg/mL;平均±標準偏差) は、コントロール (0.0245 ± 0.0153 μg/mL) 、PCV 患者(0.0221 ± 0.0202 μg/mL)に比べ有意に高値であった(P<0.05)。血中 esRAGE 濃度は、PCV患者 (0.177 ± 0.0991 ng/mL)で低い傾向であったが、 コントロール(0.241 ± 0.0918 ng/mL) 、典型AMD (0.259 ± 0.134 ng/mL)の3群間に有意差を認めなかった(P=0.08)。 血中ペントシジンは、典型AMDに病因の関与する可能が示唆された。
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