研究実績の概要 |
1.FocalSealを用いた網膜剥離手術の有効性,安全性の検討 有色家兎に全身麻酔をかけ,0.4%塩酸オキシプロカインを点眼することで,眼表面麻酔を行う.25ゲージ経結膜硝子体手術を行い,硝子体カッターにて硝子体切除を行う.実験的網膜剥離を作成し,液体-空気置換により網膜を復位させFocalSealを塗布し,60秒の光照射を行って網膜裂孔を閉鎖して空気-液体置換をして手術を終了した.コントロールには液体-空気置換により網膜を復位させたのみの群を設定した.注入前と注入後1,7,14,28日、2,3,6ヶ月において手持ち細隙灯顕微鏡での前眼部観察と単眼倒像鏡による眼底観察を行ったが,軽微の炎症を認めるのみであった.網膜剥離の進行は認めなかった.網膜光干渉計により,網膜裂孔が拡大していることがわかった.裂孔の拡大はシーラント物質がポリエチレングリコールであることから,水を吸って膨潤するためと考えられた.現在網膜の組織学的評価を行っている.論文を執筆中である.
2.新しいハイドロゲルを用いた硝子体手術の有効性,安全性の検討 FocalSealの問題点として,膨潤するために術後網膜裂孔が拡大することがあげられる.我々は膨潤しない新たなハイドロゲルを用いて上記と同じ硝子体手術を行い,その安全性を確かめている.まず,網膜剥離を起こさずに硝子体切除のみ行い,経過観察を行っているが,注入前と注入後1,7,14,28日、2,3,6ヶ月において手持ち細隙灯顕微鏡での前眼部観察と単眼倒像鏡による眼底観察を行ったが,軽微の炎症を認めるのみであった.網膜光干渉計による観察でも網膜の浮腫や炎症は認めなかった.現在論文を執筆中である.
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