研究実績の概要 |
強度近視眼緑内障の病態のうち血管障害を検討するため、OCT Angiographyを用いて緑内障眼の視神経乳頭周囲の血管密度計測と眼軸長を含む臨床因子を解析した。 対象は、2015年2月から2016年2月にOCT Angiography(RTVue®XR;Avanti, OptoVue社)および3か月以内に信頼性のあるハンフリー視野SITA Standard 24-2(HFA)の結果が得られた広義原発開放隅角緑内障100例156眼。視神経乳頭周囲毛細血管(Radial Peripapillary Capillaris:RPC)につき、全周RPC密度とMean Deviation(MD)、年齢、性別、眼軸長、logMAR視力(VA)、糖尿病(DM)、高血圧(HT)につき検討した。 その結果、RPC全周と年齢、眼軸長、VA、DMは負に、HTは正に相関した(一般化線形混合モデル, p<0.05)。Garway-Heathらのセクター分類に基づくHFAの検査点と対応する分割領域のRPC密度は全て有意な相関(一般化線形混合モデル, p<0.05)を示した。 OCT Angiographyによる視神経乳頭周囲の毛細血管密度は、対応する視野障害と相関する一方、一般化線形混合モデルで眼軸長(レンジ:21.7~28.6mm)と有意な負の相関(P=0.003)があることから、緑内障の中でも強度近視眼は血管障害が強いことが示唆された。
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