近視眼での網膜電図は、近視が強くなる(眼軸長が長くなる)程、振幅が低下する傾向がみられるようであった。また潜時もやや延長する傾向があるようであった。これは、近視眼では、網膜機能がやや低下していると考えることもできる。しかし、一方で、本研究を進めていくうえで、明らかになったことは、近視が強くなることと、眼軸長が長くなることはほぼ同じであるため、近視眼程、刺激光が網膜まで届く距離がやや長くなり、また、網膜から発せられた電気的反応が電極まで届くまでの距離も(行きも帰りも)長くなっている。この影響がERGの振幅や潜時の結果に何らかの影響を及ぼしている可能性があり、結果の解釈をやや困難にしている。
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