サイトメガロウイルス(CMV)角膜内皮炎の前房水中のサイトカインをBio-Plexを用いて解析した。単球を遊走させるケモカインであるIP-10,MCP-1などの上昇を認めた。これらの結果はCMV角膜内皮炎の発症および再発の機序にマクロファージの関与を疑わせるものであった。鑑別疾患であるHSV角膜炎,VZV角膜炎,角膜移植後拒絶反応についても前房水の解析を行った。これらの疾患でもIP-10やMCP-1の上昇を認め,CMV角膜内皮炎よりも高い傾向にあった。このことは,CMV角膜内皮炎は鑑別疾患に比し炎症は強くないことを示唆するものであった。
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