成長期の近視は、眼軸長の伸長によって生じる。近年、眼軸長の伸長で生じたと思われる網膜、視神経乳頭の変形が、中途失明原因の主原因である緑内障や、疫学調査で低視力の主原因と判明した病的近視に大きく影響していることが分かってきた。これらの研究はマイクロメートル単位で網膜、視神経乳頭の構造を断層撮影できる光干渉断層計によって数値化することで、明らかにされてきた。しかしながら、社会的にも大きな問題となる近視の眼軸長伸長を継時的に光干渉断層計で捉えた報告が無い。本研究では、侵襲が無く、小児でも検査可能な光干渉断層計と光学式眼軸長測定機器により、学童期における眼軸長の伸長とそれに伴う網膜、視神経乳頭の変形を明らかにすることを目的とする。 小学校3年生を7年間、中学校1年生を3年間、毎年検査を行って眼球成長を解明する。初年度である本年度は、鹿児島大学倫理審査会の承認、前向き研究としてUMINに登録のうえ、鹿児島大学付属小学校および中学校の協力を得て行った。小学3年生122名、中学1年生の182名の保護者から研究実施の同意を取得し、検査とアンケートを実施した。初年度の結果をデータベース化した。
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