研究課題/領域番号 |
26462652
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松本 長太 近畿大学, 医学部, 教授 (70229558)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | visual field / perimetry / binocular visual field / binocular summation / visual sensitivity / fixation / visual gaze / visual field test |
研究実績の概要 |
固視監視ができる両眼開放視野計については、自動視野計Octopus900(Haag-Streit International社)を用いてビデオカメラ開口部にプリズムを設置した。プリズムを設置することによって両眼視下で視野計に内臓されている固視監視カメラで固視状態を映し出すことが可能になり、自動視野計Octopus900が従来内臓している固視監視システムが作動するように開発することができた。この固視監視システムを作動することによって単眼視下と同様に固視不良時による検査の自動停止が実施できるようになった。このことにより両眼視下でも精度の高い明度識別閾値の測定を行うことができる。 さらに検査中の固視監視システムが正しく作動しているかを検証するためにアイマークレコーダEMR9(株式会社ナック)を装着した。アイマークレコーダEMR9は左右眼の視線追従ができ、さらに左右眼からの情報を処理することで両眼での視線も算出することができる。視線追従装置を組み込むことで、固視監視システムの作動および視標検出時の固視状態の両者を検出できる。 本装置を用いた実験では健常者を対象として両眼視下における固視監視システムの作動確認および固視監視システム自体の信頼性についてのい評価を行っている。自動視野計Octopus900の固視監視システムによって自動停止する固視ずれの許容範囲についてのデータが明確になってきており、このデータがまとまり次第、学会でその成果を報告する予定である。 この成果は両眼視下での視野検査のみではなく、現在の臨床で行われている単眼視下での視野検査においても閾値測定における固視監視システムの精度を知る上で重要であり、この研究成果は臨床的な意義も大きい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
固視監視ができる両眼開放視野計については、自動視野計Octopus900(Haag-Streit International社)を用いてビデオカメラ開口部にプリズムを設置し、両眼視下で視野計に内臓されている固視監視カメラで固視状態を映し出すことが可能になり、自動視野計Octopus900が従来内臓している固視監視システムが作動するように開発することができた。さらに検査中の固視監視システムが正しく作動しているかを検証するためにアイマークレコーダEMR9(株式会社ナック)を装着した。本装置を用いた実験では健常者を対象として両眼視下における固視監視システムの作動確認および固視監視システム自体の信頼性についてのい評価を行うにいたっている。これらのことから、おおむね研究は順調に進展しており平成26年度の研究目的は達成できている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究でほぼ両眼視下で固視監視システムを作動させること、また固視監視システムの作動確認のためアイマークレコーダEMR9を設置するといった測定装置自体の開発は大まかに完成した。今後の研究では、自動視野計Octopus900での閾値測定の結果とアイマークレコーダEMR9の固視追従の結果のマッチングをいかに正確に行っていくかデータの信頼性を高めるための測定条件やデータ処理の方法について検討をさらに進めていく。測定条件やデータ処理方法が確立できれば、健常者で本装置における固視監視システムの視野検査における安定性を評価する。その後、視野障害を有する症例の検討へと進めていく予定である。
|