研究課題/領域番号 |
26462653
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
橋本 茂樹 近畿大学, 医学部, 講師 (20388557)
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研究分担者 |
下村 嘉一 近畿大学, 医学部, 教授 (20162737)
松本 長太 近畿大学, 医学部, 教授 (70229558)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 完全自動動的視野測定プログラム / Program K / Octopus 900 / EyeSuite |
研究実績の概要 |
平成13年度~平成14年度科学研究費補助金(基盤研究(c)(2),課題番号:13671859)の助成により、検者の技量に影響を受けない完全自動動的視野測定プログラム(Program K)を独自に開発した。Program Kは、旧機種であるOctopus 101視野計では測定が可能であったが、平成19年に販売された後継機種であるOctopus 900では、コントロールソフトが変更になったこともあり可動させることができなかった。そこで昨年度は、Octopus 900とEyeSuiteの製造会社であるHAAG-STREIT社(スイス)と、日本国内の販売会社であるアールイーメディカル社にソフトウェアの開発依頼を行い、Program KがOctopus 900視野計のソフト上で可動できるようになった。次に視野計のキャリブレイション、視標提示、視標の記録、結果の記録等が正常に行なわれているかの動作確認を、研究代表者(橋本茂樹)が行なった。また、測定中の通信を通信回線用コンピュータにて確認しながらバクを発見し順次改良を行った。本年度は、正常被験者を用いて、各種測定条件を変更したうえで、Program Kを用いて完全自動動的視野測定を行った。今回使用した視標サイズ輝度はV/4e,I/4e,I/3e,I/2e,I/1e、視標速度は秒速2°4°6°を使用した。得られた結果よりイソプタの内部面積を算出し、完全自動動的視野測定における個体間並びに個体内における検討を行った。また本実験の立案、結果解析は研究分担者である松本長太、下村嘉一が行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であったOctopus 900のソフトウェアであるEyeSuite上でProgram Kが可動でるようになった。また本年度は実際正常被験者を用いて完全自動動的視野測定を行い各種測定条件下における動的視野特性の基礎データを得ることができた。また、測定中の通信を通信回線用コンピュータにて確認しながらバクを発見し可能な限り改良を行えた。
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今後の研究の推進方策 |
完全自動動的視野測定プログラム(Program K)を臨床応用するにあたって、最終的には実際の患者で測定し検証を行う必要があるが、正常被験者と同様に測定条件等を変更しながら検証を行うと、膨大な測定時間が必要となるってしまう。疾患を患っている患者には、精神的、身体的負担が大きくなることが予測される。よって次年度は、自動で視野検査が行える視野検査ロボットを使い、実際の患者を使わずに視野異常を事前にプログラミングしたロボットを用いて動的視野検査を行い、Program Kの有用性について検証を行う予定である。自動で視野検査ができるロボットは株式会社クリュートメディカルシステムズが現在開発中であり、静的視野検査では実地検査、精度検査がすでに行われている。これに動的視野検査用のソフトを開発し導入することにより、さまざまな疾患が有する視野異常をProgram Kにて何度でも動的視野検査を行うことができるようになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度内には動的視野検査用ロボット並びにソフトウェアがまだ開発されていなかった。次年度前期にロボット一式(CCDカメラ、応答ユニット、ケーブル)とソフトウェア(開発費含)を購入予定であるため、本年度使用金が繰り越して次年度使用額が高額になってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
視野検査ロボット一式(CCDカメラ、応答ユニット、ケーブル)とソフトウェア(開発費含)合計約160万円 購入先:株式会社クリュートメディカルシステムズ
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