研究課題/領域番号 |
26462654
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
日下 俊次 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (60260387)
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研究分担者 |
國吉 一樹 近畿大学, 医学部, 講師 (30234470)
杉岡 孝二 近畿大学, 医学部, 講師 (50399119)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 未熟児網膜症 / 抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体 / Periostin / 硝子体 |
研究実績の概要 |
光凝固治療が必要なtype 1未熟児網膜症に対してranibizumabを硝子体内投与し、その治療効果、再燃の割合、血清中の血管内皮増殖因子(VEGF)への影響を14例27眼で検討した。患者の平均出生週数±標準偏差は24.8±2.0週、同体重は684.3±223.7gであった。前医で光凝固治療を受けたが、病状が進行したもの(光凝固抵抗性)が23眼、光凝固治療が水晶体血管膜によって困難と判断されたものが4眼であった。全眼にranibizumab 0.25mgを投与した。その結果、投与後2、3日以内に全例で網膜血管の拡張蛇行の改善、水晶体血管膜の退縮、増殖膜白鞘化が認められ、治療効果があったと判定された。治療後、7眼で7.3±2.0週で再燃が認められ、光凝固あるいは抗VEGF治療のいずれかを要した。投与前の血清VEGF濃度に比し、投与翌日のそれは有意に減少したが、投与後1、2、4週の血清VEGF濃度は投与前の値と有意差を認めなかった。 ranibizumabによって未熟児網膜症の病勢は抑えることが可能であるが、投与後7週程で再燃する症例が25%程あることに注意を要すると思われた。また、ranibizumabの血清VEGF濃度に与える影響は一過性で、投与後1週ではその抑制効果は消失していると考えられた。
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