網膜色素変性(RP)は遺伝的異質性が高い疾患である。我々は2名の日本人RPに対して遺伝学的特徴と臨床像の検討を行った。原因変異を同定する為、RPとレーバー先天盲の74個の原因遺伝子を対象として次世代シークエンサーを用いて変異探索を行った。また、眼科検査を継続的に行い、臨床評価を行った。 結果、2症例とも夜盲で発症し、矯正視力は30歳前後において良好に保持されていた。視野は10歳代半ばまで良好に保持されていたが、以後急激に悪化し、20歳代で高度な求心性視野狭窄を示した。常染色体優性RPの原因遺伝子PRPF31の寄与が示唆された。RPの遺伝子診断に本研究で構築した遺伝子診断システムは有効であった。
|