研究課題
昨年度に行った全ゲノム解析では、視野障害型別(上方視野障害型、下方視野障害型、中心視野障害型)においてボンヘローニを超える有意な視野障害別のバリアントを同定できなかったことから再現性取得実験に至ることができなかった。視野障害は初期は一部分から障害が始まるが進行すれば広い範囲で視野障害が出現するため、正確には視野障害型を判定できなくなる。前年度行った解析には様々な視野異常の程度の症例が含まれているため、フェノタイプが純粋に分類できていないためバリアントが同定できなかった可能性がある。視野障害型の真のバリアントを同定するためには、早期から中期までの視野障害の症例を対象としてフェノタイプを分けて同定すべきであると考えた。今後は視野異常が初期から中期までの症例を対象として新規に全ゲノム解析を行っていく必要があると考えた。今年度はそれらの解析に向けて新規症例を継続してサンプルを集め、DNAを抽出・保存を行った。今年度の収集サンプルは狭義原発開放隅角緑内障54例、正常眼圧緑内障113例となった。全ゲノム解析を行っていない新規症例は現在狭義原発開放隅角緑内障423例(男女比 238:185、平均年齢64.9±13.4歳)、正常眼圧緑内障929例(男女比 323:606、平均年齢61.3±13.9歳)が蓄積された。今後全ての症例の中から初期から中期までの視野障害のある症例に対し、視野障害型が明確な症例を選定し同様の解析を行っていく。
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あたらしい眼科
巻: 32(11) ページ: 1609-1613
Investigative Ophthalmology & Visual Science
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