研究課題/領域番号 |
26462667
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
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研究分担者 |
中野 正和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70381944)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | フックス角膜内皮ジストロフィ / ゲノムワイド関連解析 |
研究実績の概要 |
2015年3月末日時点において、ケース群由来の血液検体を58検体収集し、ゲノムDNAを抽出すると共に細胞株を樹立化した。ゲノムDNAは-80˚Cの超低温冷凍庫に、Epstein-Barr(EB)ウイルス感染により樹立した細胞株は2週間培養後に液体窒素タンクにそれぞれ保管を完了した。また、検体に付随する臨床情報については、全データを電子化し、データベースへの登録を完了した。一方、コントロール群の検体については、年齢が60歳以上で角膜に異常が認められず角膜内皮細胞密度が2,000 cells /mm2以上の検体を抽出した(目標検体数: 約500検体)。 更に、ケース・コントロール群由来のジェノタイプデータに基づくゲノムワイド関連解析の実施に向けて、Infinium HumanCoreExome BeadChipsを用いた実験データの取得およびデータ解析の環境整備を実施した。次に、整備した環境下においてコントロール群・48検体を用いて予備的な実験データの取得を試みた。 その結果、全検体について精度の高い(call rate: ≥99.9%)ジェノタイプデータを取得することに成功した。今後は、ケース群の検体を引き続き収集していくと共に、順次次世代エキソームアレイによるジェノタイプデータの取得実験を行い、ゲノムワイド関連解析を実施していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フックス角膜内皮ジストロフィの原因究明を目的とした遺伝子解析としては、本研究の背景となった欧米における解析結果よりCOL8A2, SLC4A11, TCF4, TCF8などの候補分子が報告されている。本研究においては次世代エキソームアレイを用いたゲノムワイド関連解析により、日本人のフックス角膜内皮ジストロフィ患者に固有な遺伝子上のバリアントを同定し、 フックス角膜内皮ジストロフィの病因を解明することを一つの目的としている。 一方、フックス角膜内皮ジストロフィの原因究明を目的とした遺伝子解析としてTCF4イントロンのリピート配列解析の結果、TCF4イントロンにおけるTGCリピート配列の存在が欧米から報告されている(PLoS ONE 2012). 我々の究極の目的は日本人のフックス角膜内皮ジストロフィのジェノタイプを解析しその病因を明らかにすることである。同分野の国際的競争の現状を鑑み、26年度にはやむなく日本人Late-onset症例における. TGCリピート配列の解析を優先的に実施し、英文雑誌に報分化した(IOVS 2015 in press)。そのため次世代エキソームアレイを用いたゲノムワイド関連解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で明らかにするのは以下の3項目である。 (1)FCD患者の検体の収集と蓄積・細胞株樹立によるリソース化(現有: 50症例、目標総数: 150症例以上)。 (2)次世代エキソームアレイを用いてFCD 100検体、コントロール500検体のジェノタイピングデータを取得しゲノムワイド関連解析を実施することによって、日本人のFCD患者に固有な遺伝子上のバリアントの同定。 (3)同定された遺伝子(群)のin vivoヒト角膜内皮および培養ヒト角膜内皮細胞における機能解析 (1)については26年度中に実施することができている。(2)(3)について本研究資金を短期間で集中的に投入し加速度的に進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フックス角膜内皮ジストロフィの原因究明を目的とした遺伝子解析としては、次世代エキソームアレイを用いたゲノムワイド関連解析により、日本人のフックス角膜内皮ジストロフィ患者に固有な遺伝子上のバリアントを同定し、 フックス角膜内皮ジストロフィの病因を解明することを一つの目的としている。 一方、フックス角膜内皮ジストロフィの原因究明を目的とした遺伝子解析としてTCF4イントロンのリピート配列解析の結果、TCF4イントロンにおけるTGCリピート配列の存在が欧米から報告されている(PLoS ONE 2012). 我々同分野の国際的競争の現状を鑑み、26年度にはやむなく日本人Late-onset症例における. TGCリピート配列の解析を優先的に実施し、英文雑誌に報分化した。そのため次世代エキソームアレイを用いたゲノムワイド関連解析に遅れが生じ、研究経費が次年度に繰越となった。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究で明らかにするのは以下の3項目である。(1)FCD患者の検体の収集と蓄積・細胞株樹立によるリソース化(現有: 50症例、目標総数: 150症例以上)。(2)次世代エキソームアレイを用いてFCD 100検体、コントロール500検体のジェノタイピングデータを取得しゲノムワイド関連解析を実施することによって、日本人のFCD患者に固有な遺伝子上のバリアントの同定。(3)同定された遺伝子(群)のin vivoヒト角膜内皮および培養ヒト角膜内皮細胞における機能解析 (1)については26年度中に実施することができている。(2)(3)について本研究資金を短期間で集中的に投入し加速度的に進める予定である。
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