研究課題
糖尿病網膜症は網膜血管の周皮、および内皮細胞変性により、毛細血管瘤、ghost vesselが形成され、やがて無灌流領域に進展し、網膜虚血へと進行し、血管増殖が惹起される。糖尿病網膜症の病態は、網膜血管の細胞死と、それに引き続いて起こる細胞増殖であり、オートファジーは細胞死を制御する新たなるメカニズムとして注目されている。本研究では高血糖下におけるオートファジーの網膜血管に与える影響とメカニズムを解明し、新たな細胞死のメカニズムを解明することで、新規治療薬の開発を目指す。streptozotocin(STZ)誘発糖尿病ラットにおいて高血糖による影響はオートファジーの阻害物質である3-methyladenine (3-MA) によって抑制された。また、immunoblotでLC-3 IIの発現は正常血糖群と比較し高血糖群で有意に上昇していた。また、p62は短期高血糖により有意に抑制され、3-MAを併用するとその変化は認められなかった。これによりSTZ糖尿病ラットにおいて高血糖はオートファジーフラックスを促進する可能性が考えられた。高血糖と同様にTNFは糖尿病網膜症において炎症を解して主要な病変進展メカニズムを制御している。TNF硝子体注射の影響はP62 siRNAによる遺伝子ノックアウトにより抑制された。これらの結果よりオートファジーフラックスの制御は網膜症病変を抑制する可能性が示唆された。
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