ビタミンDは近年、皮膚組織をはじめとする上皮組織にも様々な作用をしていることが明らかとなっている。そこで、われわれは、皮膚と同じ表皮外胚葉由来である角膜においても同様にビタミンDが作用している可能性があると考え、ビタミンDの前眼部上皮における働きの解明を目指した。 はじめに培養マウス角膜上皮細胞をより生体の角膜上皮に類似した重層上皮組織様にさせる培養法を開発した。次にこれに活性型ビタミンDを投与したところ、細胞増殖は抑制されたものの、部分剥離後の再被覆部で細胞間結合タンパクや、F-アクチンの発現が変化していたことから、細胞間接着や細胞運動がビタミンDにより変化していることが推測された。
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