研究課題
本研究で用いられるVariational Bayes法による視野進行予測は、似た進行パターンを示す過去の他症例から変分近似Bayes法を用いて学習し、その結果を踏まえると同時に視野上の測定点同士の相関性を考慮したうえで、各グループ毎に線形回帰を行うことで、通常の単回帰法と違って予測に使用する視野回数が少なくても安定してよい予測精度を得るためのものである。本研究開始に当たり、まずこのVariational Bayes法による視野進行予測の妥当性を検証するため以下の実験を行った。1)視野上の各測定点ごとに単回帰を行って進行予測すると、予測に用いる視野回数が少ない場合に予測精度が良くなく、予測に使用する視野回数が少ないほど単回帰に重い罰則項を設ける形で単回帰の信頼度を落として定数回帰に近づける(LASSO回帰)と実際に予測精度は向上するという知見を得、論文報告を行った(Invest Ophthalmol Vis Sci in press)。2)更に測定点同士の関連性を解析し、視野を細クラスターに分割してから線形回帰を行うと予測精度が向上するという知見を得、論文報告を行った(Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014)。3)これまでに報告されている種々の回帰法(指数回帰、ロジスティック回帰など)や各種ロバスト回帰を単純に当てはめるだけでは視野進行予測精度は向上せず、やはりVariational Bayes法のように、臨床医の知見に基づいた緑内障視野専用のアルゴリズムを構築するしか少ない回数の視野を用いて安定して良い予測精度を得られないという知見を得、報告した(Invest Ophthalmol Vis Sci in press)。
2: おおむね順調に進展している
Variational Bayes法による視野進行予測の妥当性の検証が進行し、Open Perimetry Initiative(http://people.eng.unimelb.edu.au/aturpin/opi/)の申請を行って登録を完了した上で、Variational Bayes法による視野進行予測を利用し、且つ相互情報量を利用して測定順を最適化した視野計測プログラムを組み込みに着手している。
現在までに着手開始しているVariational Bayes法による視野進行予測を利用し、且つ相互情報量を利用して測定順を最適化した視野計測プログラムを完遂させ、実際に視野計測を行うこと。視野計測におけるBracketing法をBayes法を用いて改良する方法や、視野のゲイズトラック記録を用いて視野信頼度を正確に推定する方法の構築を同時に進めており、これらの知見を視野計測プログラムに盛り込んでいく。
視野実測研究が未開始のため
平成27年度に視野実測研究施行予定。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Invest Ophthalmol Vis Sci
巻: in press ページ: in press
10.1167/iovs.15-16445
巻: 12 ページ: 8386-8392
10.1167/iovs.14-14625
巻: 12 ページ: 8149-8152
10.1167/iovs.14-15541
巻: 11 ページ: 7681-7685
10.1167/iovs.14-15040
Br J Ophthalmol
巻: 98 ページ: 1230-1235
10.1136/bjophthalmol-2013-304319
巻: 12 ページ: 7814-7820
10.1167/iovs.14-15120
PlosOne
巻: 12 ページ: e115572
10.1371/journal.pone.0115572