研究実績の概要 |
我々は、扁平上皮系細胞の幹細胞採取法を用いてヒト結膜上皮細胞から採取したsingle cell由来の細胞から増殖因子のコントロールで目的とする細胞を作り出す方法を開発した。しかもウシ血清を用いないことから多くの未知因子の影響を排除し、single cell由来で細胞分化を完全にコントロールしている。したがって分泌型ムチン産生を促す新しい治療法を開発するためには、細胞内/細胞外のシグナル伝達経路を明らかにすることが必須である。 そこでp42/p44 MAPK (ERK1/2), JNK, p38MAPKなどMAPKファミリーの細胞内外のシグナル伝達機構を明らかにすることを目的とした検討を行った。現時点ではERK1/2がシグナル伝達に関与していることは、ウエスタンブロッテイング、リン酸化の過程を明らかにする免疫染色、インヒビターを用いたブロッキング実験などから明らかになった。しかしその抑制は完全でないことから別の経路の関与も示唆された。今後は更なる経路の解析などをすすめて行く予定である。
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