先天停在夜盲(CSNB)は非進行性の遺伝性網膜疾患であり、生来の夜盲を特徴とする。我々は自然発症の常染色体劣性のビーグル犬の家系を発見した。この犬は明所では正常な視覚を有するが、暗所では明らかな視機能低下がみられた。網膜電図(ERG)は陰性型を示し、長時間刺激錐体応答では、ON応答は低下しているがOFF応答は残存していた。いわゆるヒトのSchubert-Bornschein 型の完全型CSNBの犬モデルと考えられた。遺伝子検査では既知のCSNBの候補遺伝子は全てrule outされた。光学顕微鏡と電子顕微鏡では網膜形態は正常であった。我々の犬家系は世界で初めての完全型CSNBの犬モデルである。
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