本研究では、N-cadherinとNRF2に着目して、角膜上皮幹細胞をモデルに上皮幹細胞ニッチの解明を目指し、そこで得られた情報に基づき、新たな角膜上皮の培養系への応用を行った。その結果、角膜上皮幹細に特異的に発現するN-cadherinの発現制御機構の一部を明らかにし、さらにこの制御機構が、角膜上皮の正常な分化へも寄与していることも示した。本研究成果より、多能性幹細胞を用いた角膜上皮(幹)細胞の分化に成功した。また、NRF2の活性化により、角膜上皮幹細胞の生存活性が著しく上昇することを見出した。本研究成果に基づき、NRF2活性化機構に着目した幹細胞の保存法の開発に応用することに成功した。
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