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2014 年度 実施状況報告書

正常眼圧緑内障の病態解明と神経保護治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26462689
研究機関香川大学

研究代表者

廣岡 一行  香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (10325350)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアルドステロン / 正常眼圧緑内障 / 神経保護
研究実績の概要

アルドステロンを全身投与することにより、眼圧を上昇することなく網膜神経節細胞が障害される、すなわち正常眼圧緑内障モデルを作成することに我々のグループは成功した。このモデルを用いて、アルドステロン全身投与後の網膜におけるアポトーシス関連の遺伝子の発現について検討した。
ラットの皮下に浸透圧ポンプを埋め込み、基剤とアルドステロンを持続投与した。1週間後に網膜を摘出し、マイクロアレイ法により、基剤投与群と比較してアルドステロン投与群で、アポトーシスに関連する遺伝子の発現が2倍以上増加、あるいは1/2以下に減少している遺伝子を抽出した。更にこれらの遺伝子についてリアルタイムPCR (polymerase chain reaction)法にて相対定量を行った。
発現が増加したアポトーシス関連遺伝子24、減少した遺伝子24がマイクロアレイの結果抽出された。これら48の遺伝子をそれぞれPCRで定量した結果、4遺伝子の発現の増加と11遺伝子の発現の減少が確認できた。
これまでの我々の研究結果から、アルドステロンによりNADPHオキシダーゼが活性化されることにより活性酸素が増え、細胞死が生じることが明らかになっている。今回の結果と今までの結果より、活性酸素が産生されることによりp53遺伝子が増え、Cdkn1a遺伝子の発現が増えることにより細胞死が生じる可能性と、活性酸素が増えることによりPf4遺伝子が増加し、血管内皮細胞の細胞死が生じることにより慢性的な虚血状態になり細胞死が生じる可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定はアルドステロン全身投与後にアポトーシスに関連する遺伝子の増減をマイクロアレイ法、そしてPCRにて調べることであった。この1年で当初の予定は達成されており、順調に研究は進んでいる。論文も完成されておれば、申し分ないのであるが、論文は現在作成中である。

今後の研究の推進方策

活性酸素が増えた後の細胞死の経路は次第に明らかになってきた。神経細胞死を考える上でやはりグルタミン酸毒性は避けては通れない道であるので、グルタミン酸とアルドステロンの関係について今後調べていく予定である。
アルドステロンが増加することによりグルタミン酸が増加することにより活性酸素が産生され細胞が死んでいくのか、それともグルタミン酸とは全く関係のない経路で活性酸素が産生されるのかを調べていく予定である。
またアルドステロン前進投与により血流が低下するとおもわれるが、網膜の血流低下が本モデルにおける細胞死につながっているのかも調べる。

次年度使用額が生じた理由

旅費が思ったほど高くなかった。

次年度使用額の使用計画

旅費にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アルドステロン全身投与後の網膜における遺伝子発現解析2015

    • 著者名/発表者名
      小野葵
    • 学会等名
      第119回日本眼科学会総会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2015-04-16 – 2015-04-19

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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