研究課題/領域番号 |
26462691
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
白石 敦 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314963)
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研究分担者 |
小林 剛 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (70380285)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 角膜上皮細胞 / 再生医療 / 形質転換 |
研究実績の概要 |
a) 皮膚上皮side population (sp)細胞の採取;生直後のK12Cre/RTGマウスより採取した背部皮膚全層からdispase処理にて表皮を剥離、trypsin処理にて単一細胞とする。表皮sp細胞は、Hoechst 33342にて染色後、cell sorter (Beckman Coulter)により分離を行う。Trypsin処理により得た単一細胞からの表皮前駆細胞は表皮前駆細胞用培地CnT-07 (CELLnTEC)を用いておこなった。得られた表皮前駆細胞からは、特異的未分化マーカー(α6-integrin, CD34)の発現がreal-time PCRで確認された。 b) 皮膚上皮side population (sp)細胞の角膜上皮細胞への形質転換;野生型(C57BL/6)マウスから角膜を摘出後、ディスパーゼ処理にて上皮を除去する。上皮を除去した角膜実質上に、K12Cre/RTGマウス由来の表皮sp細胞を播種(1x104/cm2)し、角膜上皮様細胞への形質転換を行った。培養は、Ca++を添加した角膜上皮分化用培地CnT-30 (CELLnTEC)を用いて行い、角膜上皮細胞への形質転換の確認は、K12Cre/RTGマウス由来のK12の発現に伴い発現するGFPを蛍光顕微鏡下で確認した。初年度には、以上の形質転換実験を繰り返し、形質転換の確かさを確認した。 c) Wntシグナル関連因子の添加;我々はすでに5種類のWntシグナル関連因子(Sfrp2,Dkk3,Sostdc1,Wif1,Wnt16)が角膜輪部実質細胞で高発現していることを確認している。初年度には添加に用いる因子の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
形質転換実験の1サイクルに時間を要するため、複数回の確認を行うのに予定以上の時間を必要とした。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に予定していた Wntシグナル関連因子の添加;我々はすでに5種類のWntシグナル関連因子(Sfrp2,Dkk3,Sostdc1,Wif1,Wnt16)が角膜輪部実質細胞で高発現していることを確認しているおり、添加実験用に準備を進めてきた。これら5種類を含むWnt関連因子を、まずは単独でsp細胞播種時に添加し、GFPの発現を継時的に蛍光顕微鏡下で観察する。また、フローサイトメトリーによるGFP陽性細胞数の定量を行う。 Wntシグナル関連因子の重複添加;複数のWnt関連因子により形質転換が促進される可能性がある。そこで、複数の因子を同時または継時的に添加してより効率的に形質転換がおこるか、顕微鏡下での経時的な観察ならびにフローサイトメトリーによるGFP陽性細胞数の定量を行う。 Wnt経路阻害物質添加による抑制;Wnt経路阻害物質(endo-IWR 1, R&D Systems)を添加し、形質転換が抑制されるか確認する。また、形質転換が促進されたWnt関連因子に対する阻害物質が利用可能な場合には、当該因子の直接阻害による確認を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の進行がやや遅れているため残額が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に実験用試薬として使用予定
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