本研究は哺乳類における網膜再生を目指した基盤研究である。眼の形成に関わる遺伝子群は多くの動物で共通しているが、再生できる動物とそうでないものに分かれる。この原因は遺伝子の機能を調節するエピジェネティクス修飾の違いが原因であると推測し研究を行った。その結果発生期(未成熟)網膜では、損傷後網膜を再生できる能力が存在するが、成熟するにつれてその能力が失われていくことが明らかとなった。さらに再生能の担い手となるミュラー細胞では遺伝子の活性を抑制するエピジェネティクス修飾が強くなっていることも示された。しかし本研究によりこの抑制状態は変えうる可能性があること分かった。
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