気管・気管支を脱細胞化した足場を生体内に同所性移植して、生体内でどのように再細胞化されるのかを検討した。9週齢オスのSDラットの気管を脱細胞化して足場とし、組織学的評価・力学的評価ののち、SDラットに同所性に移植した(n=9)。その後気管支鏡検査を行い、4週間後に犠死させ、気管の組織学的検討を行った。 脱細胞化した気管では細胞成分は完全に除去されていた。足場の強度は正常気管と比べて1/6程度に減少していた。同所性移植を行った9匹の4週後の生存率は78%(7/9)であった。術後1カ月の組織学的所見として、線毛を伴う円柱上皮は吻合部を介して足場内に再生するが、軟骨細胞の再生は得られなかった。
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