研究課題/領域番号 |
26462708
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久田 正昭 九州大学, 医学研究院, 助教 (40381230)
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研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20197247)
木下 義晶 九州大学, 大学病院, 准教授 (80345529)
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
孝橋 賢一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10529879)
三好 きな 九州大学, 大学病院, 助教 (20621709)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小児悪性軟部腫瘍 / FOXM1 / 血管新生 / 横紋筋肉腫 / 滑膜肉腫 |
研究実績の概要 |
本研究における小児悪性軟部腫瘍(横紋筋肉腫およびEwing肉腫、滑膜肉腫、悪性ラブドイド腫瘍)のうち、横紋筋肉腫(以下RMS)の胎児型RMS(以下ERMS)と胞巣型(以下ARMS)についての研究を行った。RMS92例(ERMS49例、ARMS43例)におけるFOXM1、VEGF発現及びMicro-vessel decsity (以下MVD)について解析し、臨床病理学的事項と比較検討した。また、横紋筋肉腫細胞株にFOXM1 siRNAを導入してノックダウンし、VEGF発現や細胞増殖能、遊走能そして浸潤能に対する影響について調べた。FOXM1は難治性である胞巣型において有意に高値を示し、VEGF発現と有意に相関した。胎児型においてはFOXM1高発現群は有意に予後不良であった。FOXM1のノックダウンにより、VEGFのmRNA発現と横紋筋肉腫細胞株の細胞増殖能、遊走能及び浸潤能を有意に抑制した。FOXM1発現抑制が横紋筋肉腫の新たな治療対象としての可能性が示唆された。以上の内容で論文投稿し、平成27年11月に医学雑誌のTumor Biologyに掲載された。 上記の他に、滑膜肉腫におけるFOXM1発現評価や滑膜肉腫細胞株に対するFOXM1抑制剤やsiRNAによるノックダウンの効果について研究し、現在論文投稿中である。 また、小児悪性軟部腫瘍の範囲を超えるが、成人領域においても稀な疾患ながら、予後不良で新たな治療標的が望まれている悪性軟部腫瘍である、平滑筋肉腫やメラノーマについてもFOXM1発現評価や細胞株に対するFOXM1抑制の効果について研究し、それぞれ論文掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象として予定していた小児悪性軟部腫瘍(横紋筋肉腫およびEwing肉腫、滑膜肉腫、悪性ラブドイド腫瘍)のうち横紋筋肉腫(以下RMS)の胎児型RMS(以下ERMS)と胞巣型(以下ARMS)についての研究を臨床検体および細胞株における研究を終了し、論文掲載まで終えた。 また、滑膜肉腫における臨床検体および細胞株実験も終了し、論文投稿中である。 さらに、研究対象を平滑筋肉腫や悪性黒色腫にも広げ、論文掲載まで終えた。 Ewing肉腫や悪性ラブドイド腫瘍に対する研究も進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、滑膜肉腫におけるFOXM1発現の研究内容について論文投稿中である。平成28年度中に論文掲載を目指す予定である。 Ewing肉腫や悪性ラブドイド腫瘍に対する研究も計画していく。
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