研究課題/領域番号 |
26462710
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 高士 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70508019)
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研究分担者 |
窪田 昭男 和歌山県立医科大学, 医学部, 特命教授 (10161671)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
三谷 泰之 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (40612106)
柳原 格 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, 免疫部門 (60314415)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | microchimerism / GFPラット |
研究実績の概要 |
maternal cell microchimerismモデルの作成:E(enhanced)GFP transgenicラットとwild type ラットEGFP-/-を交配させEGFP+/-のメスを得る。このラットとwild type オスラットを交配させEGFP-/-ラットとEGFP+/-ラットの2系統を得ることができる。この内、EGFP+/-ラットを母親にもつEGFP-/-ラットはmaternal cell microchimerismモデルとなり、maternal cellはEGFP-/-ラット体内では蛍光下に緑色蛍光を呈する細胞として確認することができる。 現在maternal cell microchimerismモデルラットの胎生15日目、20日目、出生1日目、7日目、14日目で消化管とその他の免疫に関係すると考えられる臓器:骨髄、胸腺、肝臓、脾臓におけるmaternal cell microchimerismをフローサイトメトリーを用いてFL1チャンネルにより発現率とGFP発現細胞数を定量的に評価を試みるがmicrochimerismの細胞数が少なく検出に難渋している。 また胎生21日のmaternal cell microchimerismモデルラットの臍帯静脈にカニュレーションを行い、母親と同系統のラットの脾臓より抽出したリンパ球を経静脈的に投与に関しては、現在、臍帯静脈カニュレーションの手技の安定に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨髄、胸腺、肝臓、脾臓におけるmaternal cell microchimerismをフローサイトメトリーを用いてFL1チャンネルにより発現率とGFP発現細胞数を定量的に評価を試みるがmicrochimerismの細胞数が少なく検出に難渋しているため、Real time-PCRでGFPprimer2を用いて行い遺伝子レベルでEGFPが存在することを証明しmaternal cell microchimerismが成立している事を確認する。
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今後の研究の推進方策 |
maternal cell microchimerismモデルの作成は可能であり、このラットを用いて、Real time-PCRをGFPprimer2を用いて行い遺伝子レベルでEGFPが存在することを証明する。maternal cell microchimerismが成立している事を確認し、次年度はFACSでの手技を安定化させ、消化管に見られるmaternal cellリンパ球のサブセットを解析する。この解析によりmaternal cellリンパ球がTcellまたNK細胞であれば壊死性腸炎の発症にmaternal cell microchimerismが大きく関わっている証明となる。また次年度はmicrochimerismがホーミングにより特異的臓器に再分布するかを研究する。maternal cell microchimerismモデルラットにも出生後よりDDSを経口投与し臍帯静脈より循環しているmaternal cellが他の臓器に比べホーミングにより消化管に局在化する事を確認する予定である。そのmicrochimerismの局在を調べるため、最もmicrochimerism が起っている時期のラットを確認しその胎生のラット用いて行う。GFPの蛍光がよく保たれるようパラホルムアルデヒドでラットを還流固定した後、組織をカルボキシルメチルセルロースで固定、粘膜やパイエル板、腸間膜リンパ節でのmicrochimerismを分析しホーミングの有無を確認しmicrochimerismの生体での役割を解明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
maternal cell microchimerismをフローサイトメトリーを用いてFL1チャンネルにより発現率とGFP発現細胞数を定量的に評価を行っているが、手技の安定に時間を要しているため。
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次年度使用額の使用計画 |
maternal cell microchimerismをフローサイトメトリーを用いてFL1チャンネルにより発現率とGFP発現細胞数を定量的に評価を行っているが、手技の安定に時間を要しているため、次年度早急に手技を安定化させ次年度リンパ球ホーミングによるmicrochimerismの評価:炎症性超疾患モデルラットで現在使用されているDDSをラットに投与し母親ラットの消化管に炎症を惹起し消化管パイエル板や腸間膜リンパ節でmaternal cell リンパ球をラットに5日間自由摂取させる事で消化管粘膜に炎症を起こさせる。この感作されたmaternal cell リンパ球を投与することでmicrochimerismの頻度がより多くなるかを検討する研究とFACS法を用いたリンパ球のサブセット解析:腸炎誘発により消化管に誘導されたmaternal cellをフローサイトメトリーにて分析しリンパ球の属性を調べる研究を行う予定である。
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