研究課題/領域番号 |
26462713
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
寺脇 幹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00372384)
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研究分担者 |
古村 眞 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10422289)
中山 泰秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50250262)
小高 哲郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80442961)
佐竹 亮介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70597525)
鈴木 啓介 埼玉医科大学, 医学部, その他 (50724887)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 再生医療 / 小腸移植 |
研究実績の概要 |
小腸機能不全モデルにおいて、自らの組織がベースとなった足場を用いて腸管吻合を行う実験を行っている。 シリコンチューブをラットの背中の皮下組織に埋め込むことにより、結合織が筒状(チューブ状)となる、バイオチューブが構成されることは確認できた。この長径1cm~3cmとしたものを用意し、ラット小腸を切断した上で腸管吻合を全層一層にて行った。術後2-4日は生存したがいずれも死亡し、解剖を行うと、吻合部からの腸液の漏出が認められた。詳細な観察により、大きな穿孔はなかったものの、腸管粘膜の連続性が保たれていないことがわかった。 一方、本研究の協力者らの研究により、同様の手法は血管再生・吻合で行われており、血管内皮の連続性が保たれていることがわかっている。血管吻合と消化管吻合の相違点として、血管内を流れる血液中には、血管内皮細胞の成長・生着に必要な成分が豊富に含まれているのに対し、今回の実験系ではバイオチューブそのものには血流のサプライは根本的には存在せず、隣接する細胞から毛細血管レベルでの新生血管が伸びてくるのを待つしかないものと思われる。加えて、腸液内には消化酵素や細菌を含むことから、吻合部からの腸液の漏れがわずかだとしても周囲組織に与える影響は非常に大きいと考えなければならない。 従って、(1) 腸内細菌が小腸よりは少ない食道を用いた吻合を行う (2) 腸管内皮細胞新生を促進させるための物質を添加する (3) バイオチューブに血液を供給するための手段を考案する、などの工夫が必要と考え、研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸管吻合の際、粘膜を欠いた材料を用いているため、消化液の漏れを余儀なくされるという問題がある。
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今後の研究の推進方策 |
腸管吻合の成功率を向上させる方策を新たに構築する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
腸管吻合の成功率が予想よりも低く、次のステップに進むことができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
腸管吻合の成功率を向上させる方策を講じる。
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