腸管運動不全疾患の中でも最も患者数が多いヒルシュスプルング病は、発生初期の神経堤由来の腸管神経節細胞が欠損したり、分化や移動が障害されたりすることで生じる。今回、神経堤由来細胞が緑色蛍光タンパク質ラベルされたマウスを用いて新規の腸管運動不全疾患のモデル動物を確立し、神経堤由来細胞の分化状態の解析や機能的な経過の詳細を解析したところ、このモデルマウスがヒトの病態と極めて近い表現型と経過を生後も継続的に示すことを新たに示した。新規モデル動物を作成したことで、腸管神経節細胞のネットワーク形成過程における複雑にコントロールされた正常メカニズムとその破綻後の変化を明らかにすることができた。
|