研究課題/領域番号 |
26462716
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉澤 穣治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80261220)
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研究分担者 |
桑島 成央 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40301527) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 神経芽腫 / エクソソーム / マイクロRNA |
研究実績の概要 |
本研究においては、血液中のエクソソームからmicroRNAを抽出して、その種類や増減を検出して、神経芽腫の診断に利用することを目標にしている。そのためには、正常値を把握する必要があるが。成長発達によって血液中のエクソソームの正常値に変化があるか否かが、不明である。すなわち日齢・週齢・月齢・年齢による変化があるか否かをまず、把握する必要がある。特に、ヒト神経芽腫の後発年齢は1歳以下であるために、日齢・週齢による正常値の変化の有無を確認す必要がある。そこで、平成27年度には、A/Jマウスの日齢3、7日、週齢2,3,4週、月齢2,3か月のマウスの血液を採取して、エクソソームを抽出することをおこなった。 一方、血中エクソソームのmicroRNAをがんの診断に用いる研究が大腸がんにおいて報告が多いため、ラット大腸がんを用いた研究を平行しておこなうことで、研究方法の正確性を確認しながら、目的である神経芽腫の血中エクソソームのmicroRNAの解析を行うこととした。ラットの大腸がん細胞であるRCN-9細胞を用いて、大腸がん肝転移モデルと担がんモデルを作製して、血液を採取して、エクソソームの抽出とmicroRNAの抽出をおこなった。大腸がんに特有の血中エクソソーム中のmicroRNAと神経芽腫細胞において特異的に発言してるmicroRNAとの相違を検討して、どのmicroRNAが神経芽腫の血液診断とするのが有効であるのかを決定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度には、①マウス神経芽腫嘆願モデルと肝転移モデルを作製すること、②これらのマウスの血液中および培養細胞駅中のエクソソームを抽出し、さらにmicroRNAを測定することであった。この計画に基づき、平成26年度には、神経芽腫細胞の培養およびこれを用いたマウス神経芽腫担癌モデルや肝転移モデルの作成は計画通りに進行した。そして、それぞれの状況下の血液を採取して、エクソソームの抽出も順調に進んでいる。さらに、化学療法薬おおび分子標的薬による治療をおこなった場合のエクソソームの変化を検討するため、治療群の血液も採取した。 平成27年度の計画では、マウスの日齢ごとに採血を行い、それぞれの血中エクソソームを抽出することを予定通りにおこなった。 平成28年度は研究最終年であるので、エクソソーム中のみmicroRNAの解析を行い目的としている神経芽腫における特異的な血中エクソソーム中のmicroRNAの検出が可能であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究最終年となるため、年度前半においてこれまでに収集した血液サンプルの解析を中心に行うことにしている。神経芽腫における特異的に発言している血中エクソソームのmicroRNAが何であるのかをこれまでにおこなってきたアレイ研究から、絞り込みながら、さらに、血中エクソソームのmicroRNAを解析するための、新たに開発された簡便な測定キットを用いて解析する。さらに、神経芽腫細胞からは、血管新生促進物質が分泌されていることが、知られているので、神経芽腫培養細胞から抽出したエクソソームを蛍光標識して、この章式されたエクソソームが血管内皮細胞によりこまれ、増殖が促進されるかをin vitroで確認することを行う予定である。 後半においては、これらのデータのまとめと結果公表の準備をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進行しているので、消耗品に支出を少なくできたこと、および実験動物を所属施設内で繁殖させたため、購入費を節約できたことにより、支出額が少なくなった。 また、当たらな簡便な測定キットが多種類販売されることになった。その選択に時間が多少必要となり、その時期が年度を超えることになったため、次年度の使用額が多くなった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究最終年の平成28年度前半には、新たに市販されたmicroRNA抽出キットの購入費用に用いる予定である。
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