ヒト小児肝腫瘍、腎腫瘍の発生・進展に関わる遺伝子の探索を目的として、候補遺伝子のゲノムメチル化状態を、マウスの各発達段階の肝・腎組織において定量的に検討した。その結果、肝組織の発達に伴いメチル化レベルの亢進していたZSCAN10、SlC16A5について、肝腫瘍・腎腫瘍細胞株並びに当科で保存している臨床検体における発現状態を定量的に解析したが、一定の結果は得られなかった。そこで、別の新規候補遺伝子であるTfap2eの肝芽腫細胞株における機能解析を行なったところ、Tfap2e抑制での細胞増殖亢進と過剰発現での細胞増殖低下が確認され、がん抑制遺伝子としての可能性が示唆された。
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