研究課題
胎生期に一定の圧が膀胱内に必要なことが明らかとなり、この圧を常時膀胱にかける穿刺型シャントチューブの開発が臨床応用に必須となった。昨年までに富士システムズ株式会社と共同開発を進め、マイクロ圧調整バルブ技術を応用した胎児尿路閉塞症用シャントチューブのプロトタイプを作成した。前回の実験で胎生期に必要な膀胱圧が明らかとなり、この圧を常時膀胱にかける穿刺型シャントチューブの開発を試みた。2016年第1回の実験を7月4日-8日にWellington大学で行い、胎生60日の胎仔に尿路閉塞を作成した。第2回は7月25日-28日にバルブ付きシャントチューブとバルブ無しシャントチューブの二群にわけて膀胱内に挿入した。第3回実験は9月5日-8日で超音波検査を行い、第4回が9月22日-24日に満期で帝切を行った。最後に全臓器を摘出して税関を通過させ、日本で病理検索を行った。10匹の胎仔を用いたが1匹は流産し生存率は90%であった。新しいシャントチューブを膀胱内に挿入して、脱落するかを見たが自然脱落する症例は無かった。この3年間で作成した論文で、バルブ付きシャントチューブを用いて膀胱羊水腔へ尿をシャント後も肺の形成に影響は無かった。この結果はJournal of Pediatric Surgery (2015) 50:2063-2067に、また腎への変化はJournal of Pediatric Surgery 49 (2014) 1831-1834に掲載された。その他邦文誌に羊胎仔腎を用いた糸球体構築の免疫組織学的検討嚢胞腎に対するVirtual slide systemと走査電信顕微鏡を組み合わせたアプローチが発達腎研究会誌2016;24(1):6-7に掲載された。最終的に子宮壁から穿刺可能でさらに定常圧のかかるシャントチューブのプロトタイプを開発している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件)
Pediatric Surgery International
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