高リスク神経芽腫の5年生存率は40%前後と不良である。初発時転移のある神経芽腫の7割は初回治療に反応し、一旦Complete remissionとなるが、その後やく半数が再発する。一旦再発した腫瘍は治療抵抗性を獲得することが多く、不幸な転帰をたどる。我々は初発時の腫瘍と再発時の腫瘍に明らかな治療反応性の差異があることに着目し、網羅的遺伝子解析により治療抵抗性獲得のメカニズムの解明を試みた。初発・再発の腫瘍がセットで存在する高リスク神経芽腫について、各々の腫瘍組織の全エクソーム解析をおこない、すでに報告のあるRas-MAPK経路以外の分子にあらたな体細胞遺伝子変異が生じることを明らかにした。
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