研究課題/領域番号 |
26462732
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 健二郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90197674)
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研究分担者 |
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40252233)
徳山 英二郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (90379785)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メカノメディスン / 3次元全層培養皮膚 / 伸展培養 / 基底膜 |
研究実績の概要 |
我々は、前年度の研究で3次元全層培養皮膚のストレッチシステムを構築することに世界で初めて成功した。今年度、これを用いて伸展刺激を加えた培養皮膚を解析したところ、伸展刺激を加えなかった皮膚に比べ、表皮層の厚みが増し、基底膜タンパクであるLaminin 5、Collagen Ⅳ/VIIの合成及び基底層への沈着が増加している所見が得られた。また、電子顕微鏡による解析では基底層におけるヘミデスモゾーム及びLamina densaが増加していた。これらの結果より、3次元全層培養皮膚に伸展刺激を加えることで、まず真皮層上層に接着している表皮角化細胞に刺激が伝わり、接着能が上昇するとともに細胞増殖及びタンパク合成が促進され、同時に皮膚線維芽細胞にも刺激が伝達され、タンパク合成及びプロテアーゼ阻害物質の分泌が促進されたのではないかと推測される。その結果、基底層におけるLaminin 5, Collagen IV, Collagen VIIの沈着が増加し、基底膜構造がより発達することで、更に表皮角化細胞の分化増殖が促進され、表皮角化層の厚みが増加したのではないかと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、基底膜タンパクの解析及び基底膜構造の解析を行うことができているため。
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今後の研究の推進方策 |
全層培養皮膚において、皮膚線維芽細胞から分泌されたKGF及びGM-CSFが表皮角化細胞の分化・増殖を促進し、さらに表皮角化細胞から分泌されたIL-1が皮膚線維芽細胞のKGF及びGM-CSFの分泌を調整するという相互作用があることが報告されている。そこで、最終年度は主に、ストレッチ刺激を加えることでこれらのサイトカインの発現量がどのように変化するかを解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度行った免疫染色やimmunoblottingが想定より順調に進行し、抗体の使用量を削減できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は高価なELISA用プレートを多く使用する予定であるため、これの購入に使用する方針である。
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