【平成28年度研究計画】Ingenuity Pathways Analysisソフトウェアを用いて、ischemic core(不可逆的範囲:IC)と周辺 ischemic penumbra(救済可能範囲:IP)の部位特異的な遺伝子解析とプロテオーム解析から得られた実験データを基に生物学的な機能の解釈やパスウェイ解析を行う。
【研究方法】DNAマイクロアレイ結果をIPAソフトウェアにより解析し、PACAPによる遺伝子発現変化のプロファイリングを作成する。必要に応じてDNAマイクロアレイとは異なる遺伝子発現解析法であるRT-PCR法を用いて、選択してきた遺伝子発現を再確認しながらプロファイリングを作成する。プロテオミクス解析では2D-DIGEにより発現変化が確認できたスポットを回収してトリプシン消化処理した後にLC-MS/MSにより同定を行う。
【研究結果】ICとIPの部位特異的さらに6時間および24時間の経時的な遺伝子データを生物学的な機能の解釈やパスウェイ解析を行うことで比較検討した結果、IPでのPACAPによる早期神経保護作用に関与すると考えられる因子についてまとめることができた。さらに軸索形成などに関与しているCRMP2タンパク質の脱リン酸化がPACAPにより促進することが確認できた。これらの結果についてはまとめて論文投稿する予定である。2D-DIGEによるタンパク質同定作業については信頼の高い結果は得られなかったため、再度2D-DIGE解析を行ったところ発現量の違いがあったタンパク質スポットを幾つか得ることが出来た。LC-MS/MSによる同定を行い、現在マイクロアレイ解析のデータとあわせた統合解析を行っておりプロファイリングを進めている。
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