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2015 年度 実施状況報告書

院内感染に伴う重症敗血症の発症メカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 26462747
研究機関東京大学

研究代表者

中島 勧  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323597)

研究分担者 矢作 直樹  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045) [辞退]
内田 寛治  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60302709)
土井 研人  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80505892)
小宮山 雄介  獨協医科大学, 医学部, 助教 (90586471)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード敗血症 / 院内感染症 / 免疫抑制
研究実績の概要

院内感染に伴う重症敗血症の動物モデルとして、回盲部結紮穿孔(CLP)を施行し、4日後に緑膿菌肺炎を起こすtwo hit modelを作成した。作成したtwo hit modelに治療薬として、インターフェロンβ(IFNβ)を使用した。sham群と比較し、CLP3日後に生理食塩水(NS)を投与した2H,NS群では生存率は低下し、IFNβ をCLP3日後に投与した2H,IFN群では、生存率を改善する結果を得た。本研究ではtwo hit後、つまり肺炎後の状態について着目し、肺炎18時間後に肺組織を採取し、下記を行った。肺の機能、炎症、病理などについて検討した。
肺病理では、Sham群では肺胞構造は保たれているが、2H,NS群は肺胞内に硝子化・肺傷害・出血が起きていた。2H,NS群と比べて、2H,IFN群は肺胞内の硝子化、肺傷害は軽度であった。より客観的なスコアとして、肺傷害をスコア化したlung injury scoreでもsham群と比較して2H,NS群では有意に肺が傷害され、2H,NS群と比較して2H,IFN群では有意に肺の傷害が抑制された。
肺乾湿重量比で肺の含水量は、sham群より2H,NS群では有意に高かったが、2H,NS群と2H,IFN群とは有意な差はなく、好中球のミエロペルオキシダーゼを測定した肺のMPO活性値では、sham群よりも2H群では高値を示したが、2H,NS群と2H,IFN群とは有意な差はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物実験では、two hit modelの重症化のメカニズムについては、肺の含水量、肺のMPO活性などにより、メカニズム解析を行うことができた。しかしながら、IFNβによりなぜ死亡率が減少したかという、治療効果のメカニズムに関しては明確に結論づけられておらず、次年度の課題である。
臨床研究においては、昨年度は急性腎障害についての検討を行ったが、肺炎症例、腹膜炎症例についての検討が遅れているため、次年度の課題である。

今後の研究の推進方策

動物実験では、院内感染症を模したtwo-hit modelの重症化のメカニズム、およびIFNβを使用することで、生存率が改善するメカニズムをより詳細に解析していく予定である。
まずはtwo hit後の血液・凝固能の評価を行うとともに、肺病理における免疫染色などを行っていく予定である。
臨床研究では肺炎患者・腹膜炎患者を対象に、その患者背景やその原因菌を解析し、重症化にいたる背景因子について検討していく予定である

次年度使用額が生じた理由

実験内容として、当初はサイトカインの測定に相当の費用を見積もっていたが、肺の病理学的検討などの別の視点からの実験過程が多かったため、試薬購入の見積りと相違が生じた。また2015年に国際学会での発表を見込んでいたが、より詳細な検討結果を加えて、2016年度の国際学会での発表を行うこととなったため、旅費分の支出が減少した。

次年度使用額の使用計画

2016年度には国際学会での発表がすでに予定されており、そこに充填する。またメカニズム解析に当たり、さらなるサイトカイン測定やPCRなど、より深いレベルでの検討、実験が必須であり、そのような実験の試行に必要な試薬・機器などの購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 敗血症に引き続く緑膿菌肺炎のマウスモデルに対するインターフェロンβの2015

    • 著者名/発表者名
      比留間孝広
    • 学会等名
      日本麻酔科学会 第62回学術集会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-05-28 – 2015-05-30

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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