インターフェロンβ (IFNβ)がARDSの死亡率を低下させる報告がある。腹膜炎-肺炎の重症感染マウスモデルを作成し、IFNβの生存率に与える影響を検討した。回盲部結紮穿孔 (CLP)により腹膜炎をおこした後、4日後に緑膿菌肺炎を起こすモデル(PAIT)を作成した。PAITの18時間後の気管支肺胞洗浄液(BAL)中の肺内残存菌量、細胞数およびサイトカイン値を測定した。回盲部結紮穿孔後の肺炎モデルでは死亡率は著明に低下したが、IFNβによりその生存率は改善した。IFNβは肺への炎症性サイトカインおよび細胞数を回復し、肺内殺菌能力を挙げることで、生存率の改善に寄与している可能性が示唆された。
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