ホスホリパーゼA2(PLA2)は、分泌型PLA2(sPLA2)、細胞質PLA2(cPLA2)、カルシウム非依存性PLA2(iPLA2)に大別される。sPLA2やcPLA2と比較して、急性炎症におけるiPLA2の役割は十分に解明されていない。本研究では、iPLA2γが好中球の生物活性(活性酸素産生、脱顆粒、遊走能、接着能、接着分子発現)や微小循環における白血球と血管内皮細胞の相互作用に関与することを明らかにした。このように、iPLA2γは急性炎症の過程に不可欠な酵素であるかもしれない。さらに、アラキドン酸以外にiPLA2γの代謝産物が好中球機能の情報伝達物質であることが示唆された。
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