病的状態になると生体信号はより単純化すると報告されている。集中治療部のベッドサイドモニターに記録・保存されている心拍数データに対して複雑性解析を行い、転帰・重症度予測の可能性を検討した。敗血症における検討では、24時間心拍数(1分ごと計1440個)の複雑性指標とAPACHE II 及びSOFA スコアと有意な高い相関を認めた。蘇生後24時間以内の転帰予測の検討では、心拍数の変動がより複雑になると、良好な転帰が期待されることが示された。以上、成人のICU入室患者において、ベッドサイドモニターが記録する心拍数の変動により、重症度や転帰の予測が可能であることが示された。
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