• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

rSO2モニタリングを用いたプレホスピタル心肺蘇生プロトコルの再構築

研究課題

研究課題/領域番号 26462753
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

西山 慶  独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 研究員 (90447970)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心肺蘇生法 / モニタリング / 脳保護
研究実績の概要

2施設8消防隊8台の救急車にて搬送された114例の院外心肺停止に対して研究を行った。全症例の約30%に当たる33名に計測が可能であったCallawayらが同系列の機器を用いて病院前で計測した際は、胸骨圧迫をしても全くrSO2値の上昇を計測できなかったのに対し、今回の研究では、救急車内での計測開始時はrSO2値がほぼ最低値であったのに比して、CPRによりROSCなしの症例でもrSO2値の上昇を計測することができた。しかしながら有意差はないものの、prehospitalROSC症例はrSO2値が高い傾向にあり、CPRにおいてはROSCの達成が脳循環の改善に大きく寄与することが示唆された。しかしながら、全くrSO2値が蘇生に反応しない、mostly deadな症例もみとめられた。多くは現場でCPRを開始しているにもかかわらず、救急車内での計測開始時はrSO2値がほぼ最低値であったことは、ストレッチャーなどでの患者移動中に高い質の蘇生を維持することが困難となる、transport gapの存在を示唆すると考えられた。2チャンネルの計測値にはある程度の相関が認められたが、ばらつきもあった。このことは、計測がblindで行われたこともあり、計測の質が担保できなかったことを示唆すると思われる。上記の結果より、OHCA患者へのrSO2値計測は、予後予測(mostly deadな症例の認識)、Q-CPRの評価(CPRによるrSO2値の上昇)、特殊な状況(溺水・縊首・動脈瘤破裂)における蘇生法の検討に有用である可能性が示された。しかしながらblindによる計測では2チャンネルの計測値にばらつきがあり、より高感度で安定したセンサーの開発、Q-CPR評価のためのtime cycleを調整できるアルゴリズムなど、救急分野に特化した機器の開発が望まれると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 院外心肺停止患者におけるrSO2および長期予後から見たE-CPRの適応2017

    • 著者名/発表者名
      鵜木 崇、西山 慶、伊藤 賀敏、折田 智彦、有元 秀樹、別府 賢、阿部 充、遠藤 智之、安田 英人、長尾 健
    • 学会等名
      第45回日本集中治療医学会学術集会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2017-03-10 – 2017-03-10
  • [学会発表] Severity Assessment of Brain Damage With rSO2 monitoring for Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation After Out-of-hospital Cardiac Arrest2016

    • 著者名/発表者名
      33.Takashi Unoki, Kei Nishiyama, Noritoshi Ito, Tomohiko Orita, Hideki Arimoto, Satoru Beppu, Mitsuru Abe, Tomoyuki Endo, Hideto Yasuda, Ken Nagao
    • 学会等名
      American Heart Association Resuscitation Science Symposium
    • 発表場所
      ニューオリンズ(米国)
    • 年月日
      2016-11-11 – 2016-11-11
    • 国際学会
  • [学会発表] 院外心肺停止患者に対する救急隊員によるrSO2計測に関する研究2016

    • 著者名/発表者名
      西山 慶
    • 学会等名
      第19回日本臨床救急医学会総会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      2016-05-13 – 2016-05-13

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi